彼は苦労性十代目ラブ男
ムクえもん3
「くっ・・・十代目・・・あなたのためなら俺は・・・俺はこの学校を改革してみせます!」
「朝から熱いなーもう太陽系爆破してくんないかなー」
「そんなことしたら皆死にますよ」
「十代目・・・十代目!」と、毎朝これを呟くG氏は、拳を握り締めて隣の教室に向かって熱意をおくっている。
そう、何を隠そう十代目こと沢田綱吉くんはこのクラス…ではなく、隣のクラスの生徒だからだ。クラス決めが決まった時は凄かった・・・
G氏がダイナマイトを取り出して校長に揺さぶりをかけて、挙句のはてには学校爆破計画まで立て、脅しまくった。それをなんとか止めた綱吉くん。
だが、納得のいかないG氏は未だにクラスが一緒になりたいらしい。そのためならどんな手でも使うとか言い出しちゃってるあたりかなりヤバイ。
ってかムクえもん、テメェーなんでココに居んだよ。
「クフフ、いいでしょう。僕がひとはだ脱いでさしあげますよ」
「何!?それは本当か!?ムクえもん!!」
嘘じゃねーだろーなと少し疑いを持ったG氏だが、愛する十代目のため!とムクえもんと手を組む道を選んだらしい。
その時点でもう間違った道走っちゃってる気がするけど、あんまし巻き込まれたくないからなー。突っ込まないでおこーっと。
「にしし。また馬鹿やってやんの」
「おーベル。おはよー」
「あーおはー。あ、俺今日忙しいからさー巻き込まないでくれねー?」
「なっ、お前!ダチだろうがよ!協力しろよテメェ!!」
「はーい。1ぬけたー」
「私もー」
朝の予鈴3分前に教室に入ってきたベルに友達だから協力しろとせがむ隼人。だから面倒なことに巻き込まれたくないの。巻き込まないでくださ
ーい。抜けさせるか!と相変わらず暑苦しい隼人の横に、なんだか暑さも吹っ飛ぶような涼しい笑みを浮かべている我らがムクえもん。
怖っ!こいつ絶対なんか考えてるよ。
そうだよ、そうに違いないって思ってたら、彼は私が先週必死の思いで机の裏側に隠したはずの英語のテストをチラつかせていた。
まぁーステキー。(棒読み)
これって立派な脅迫ですよね。
「は協力してくれますよね?(ニコリ)」
「うふふふふ。ラジャー(テメぇーマジ覚えてろよムクえもん)」
「さすが、ダチ!」
あぁ、そうさダチさ。人類みな兄弟さ。もう、やるしかないな。
凄く目が輝いている隼人に肩を揺さぶられながら私はそう思った。ベルはというと、何もなかったように席についている。
裏切ったなぁぁぁぁぁぁ!!!!ベルぅぅぅぅぅぅ!!!!
「クフフ。さぁ、実行に移しますよ。」
「おう!」
「いえっさー」
ニヤリと微笑むムクえもんはとても楽しそうだった。ってムクえもん!!!!絶対お前暇つぶしなだけだろぉぉぉぉぉ!!!
とりあえず私達は、行間に作戦を考えて、お昼休みに計画を実行することにした。
名付けて『十代目ラブクラスかえ大作戦』ラブっていらないよねホント。
作戦その@
『色仕掛け作戦』
「獄寺氏、獄寺氏。」
「なんだよ、気持ち悪ぃーな」
「これは人選ミスなんじゃないでしょーか」
私、色気より食い気ないたいけな女子ですよ?何が悲しくてスカート短くして色仕掛けなんか・・・・
なんて言ったら「しょーがねーだろ。お前しか女がいねーんだよ。」って。何そのしょうがないって。テメーもういっぺん言ってみやがれ。
ってかさっきからムクえもんが横でお腹押さえて笑いを耐えてるんだよね。
ねぇ、コレって殴っていいよね?殴ってもいいよね?
「さぁ、散って来い!」
「散って来いって何だ!?」
とりあえず私は校長がいるであろう校長室の前に突き出された。ちなみに彼らは廊下の端で待機中。
よっし、ここは一つ気合でいくしかないよね。深呼吸をしてから校長室をノックしようとした!
「何してるの?」
えぇー・・・まさかまさかの雲雀さん登場ー。呼んでねぇー。しかも何か手に持ってるし。
お弁当箱らしきもの二つもってるし。
「・・・・・」
「・・・・・」
可愛く首を傾けて一言・・・
「お腹空いてるの?」
天然きた―――!!!!
なんでだよ。その脳みそにはいったい何がつまってんだよ。どこをどう見たらお腹減ってるように見えるよ。
しかも、「うんうん、分かるよ。分かるよその気持ち」とか言っちゃってるんですけどー。
もう、誰かコイツ止めてよ。危険すぎるよ。違う意味で。ムクえもんー!獄寺ー!何二人して逃げてるんだよ!しかももう見えないし。
助けようよ。
「僕にお弁当作ってきたんだけど。屋上でいいよね?」
えぇぇぇぇぇぇぇ!?コイツ何言ったー!?今何て言ったー!?
何その突っ込みどころ満載な台詞ー!そしてジャイアニズムー!何コレ、どこから手をつければいい?しかも強制参加?ワォ。
「じゃぁ、行こうか」
作戦その@
予想外の雲雀さん乱入により、失敗
作戦そのA
『もうどうでもいい、脅せ』
「ねぇ、脅すって・・・」
「うるせぇ!十代目に見られたらどうすんだよ!」
「クフフ、では僕が行きますね。」
わぁーお。十八番(おはこ)がいったよ十八番が。
隼人と私はとりあえず、脅してるところを見たくもないので、教室で待機して見守ることにした。
だって、何かね。何か怖いじゃん。ほら、返り血を沢山浴びて血つきの金棒持って笑顔で帰ってきた・・・
え?帰ってきた?
「怖ぇぇぇぇええぇぇぇ!!!」
「クフフ、お話はつきましたよ」
実力行使だー!あぁ、もう校長室に入ったら血まみれでした状態じゃないかな。
そういえばさっき救急車の音がしてたけど、まさかね。うん、まさかね。とりあえず見なかったことにしよう。
「よくやった!で、十代目はいつからクラスに来られるんだ?」
「あぁ、それは『ガララ』「獄寺くーん。」
「じゅ・・・十代目!!!」
教室に入ってきたのは十代目こと綱吉くん。なんだかどことなく焦っているのは気のせいではないみたい。
少しおどおどとしながら彼は隼人の前に来ると深刻というか、真面目というか、優しそうというか力なくというか、ともかくそんな感じの表情で
「あのさ、」と切り出した。これはあれか?好きな子に告白したときに振られるパターンな空気か!?
「クラスなんだけど、やっぱり一度決まったことは変えられないと思うんだ。色々皆に迷惑もかけちゃうし・・・」
「十代目・・・」
「それにさ、行間とか休み時間とか、いつでも俺の教室に来ればいいと思うし。弁当なんかもいつも一緒に食べてるし。行きも帰りも一緒だし。」
「はい。」
「次は一緒のクラスになれるかもしれないしね。」
「はい!!!そうっすね十代目!!!!」
うわっ。マジ泣きだ!!マジ泣きしてる!!そして、抱き合ってる、抱き合っちゃってる。綱吉くん、焦ってるなー。
これにて一見落着?結局は丸め込まれただけだよねこれ。ちょっと、時間の無駄になっちゃったんですけど。はぁ・・・
「まぁ、いっか」
「クフフフフ」
いや、お前は良くないよ。帰れよムクえもん
元凶はお前だァァァァァァァァ!!!!!
⇒ラウンド4
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なんかアンケートとったら、無駄に多かったムクえもん。なので続きを書いてみた。
アンケート投票ありがとうございます!(土下座)
今回は獄寺氏のお話。でももちろん天然雲雀さん登場。もう、この人のキャラの扱いが分からなくなってきた。やべぇな。
次はどうしようか。こうなるとベルくんかディーノさんかな。いや、めんどいから飛ばそう。(何それ!?)
もういいや、ノリでいこうノリで。(えぇー!?)
相変わらず、役にやってないなムクえもん。