キミは強気な

ジュリエット
















「あぁ、ロミオ。貴方はどうしてロミオなの?」

















窓を全開にして、君は何をしているんですか。









「僕はロミオじゃありませんよ。」







僕がそう言ったところで彼女の耳に届くわけもなく、何処か遠くを見ているように窓からまた叫ぶ。









「ロミオ!どうして貴方はモンタギュー家で、私はキャピュレット家に生まれてしまったの?どうして私たちは愛し合ってしまったの?そもそも、何で出会ってしまったの?」


「ですから僕は・・・もういいです。」








駄目だ。彼女に何を言ったって通用しない。僕は何事もなかったかのように彼女をスルーして玄関から家の中に入り、

彼女の部屋の前まで着くとドアをノックして開けた。彼女は僕が部屋に入ってきたのを確認すると、部屋の真ん中に置いてあった椅子に腰掛けた。









「ところでロミオ。」



「何ですか わがままジュリエット」




ドガッ


ぐっ




彼女は手加減なしに僕の急所を蹴り上げた。突如に襲い掛かる慣れない激痛に、涙が出そうになるのを必死に堪える。

それを見向きもせずにはんっと鼻で笑う






「叫んだらのどが渇いたから、何か飲み物でも持ってきてよ。」


「どうしてそんなに命令口調なんですか?」


「ジュリエットだから」







どこの時代にそんなジュリエットがいますか。










「わかりました。すぐにお持ちいたしましょう。僕の愛しいジュリエット」



「三秒だからね?三秒しか待たないから」



それは僕にテレポーテーションでもしろと言いたいのですか?



「未来から来るネコ型ロボットに頼めばいいんじゃない?」



「奇跡を起こせと?いやむしろ、未来へ行けと?」



「得意の幻覚でドラ●もんを惑わしてこい。」






いくら僕でもそれは無理です。








まぁ確かに得意分野かもしれませんが、いくらなんでもそれは有りえないでしょう。

僕がため息をつくと、彼女はムッとした顔で僕を睨んでくる。











「じゃぁ、もういい。」


「おや?拗ねたんですか?」




「・・・・」



?」



「・・・・・」



「・・・










まったく、どうやら僕の愛しいジュリエットはいつものように拗ねてしまった。

彼女はそっぽを向いてしまって僕とはもう話す気もないらしい。

部屋は静まり返り、こうなってしまったら彼女はちょっとやそっとでは元に戻らない。僕はを抱きしめて彼女に口付けをした。








「ん!?むっ!?むむっ!!」






いきなりの思い切った行動に、は驚き、暴れだしたが僕はの手を押さえつけ、そして数秒後に口を離した。






「ぷはっ」


「クフフ、これでもうのどが潤いましたか?」







相変わらず可愛くない声を上げますね。でも・・・の顔を見ると、白く美しい肌が赤く染まってゆく。






「なっ・・・なっ・・」


「クハハ」


「く・・・口が腐る。早く!誰か早く水を!」







そんなに照らなくてもいいんですがね。いくら僕でも傷つきますから。







「そんなことより、今日は何をしているんですか?」



「新手のバンパイア避け人形グッズを製作中。見れば分かるでしょ?」




「見ても分かりません」








彼女の足元には無残にも投げ捨てられたように見える怪しい人形が沢山。

どう見ても僕にそっくりな人形な気がします。いや、むしろこの人形は僕ですか?おや、人形には全部ナイフが刺さっているようですね。クフフ・・・クハハハハ。







泣いていいですか?



どうぞ、どうぞ。






あれ?フォローなしですか?ということはやはりこの人形モデルは僕で確定なわけですね?

はぁ・・・彼女ならやりかねない









「どうして今日は僕を呼び出したりしたんですか?」



「・・・・・呼んでないよ。」






僕の言葉を聞いた彼女は、急に寂しそうな顔をしてそっぽを向いた。






「嘘おっしゃい、僕に無言電話かけてくるなんて君ぐらいですよ」


いや、それは絶対に私だけじゃないと思う。



何でですか。僕の目を見て言ってください






は冷や汗をたらしながら更に僕から目を離そうとした。

そしてどこか遠くを見つめているように窓の外を見る目はどことなく、僕に何かを訴えたいようにも見えた。

え?僕が何か皆さんに差し支えることをしましたか?






「まぁ、あれだよ。人生、山アリ谷アリ、地獄アリ、修羅場アリ、更に生き地獄アリ


「そこまで言いませんけどね。」





部屋の空気が殺気だった気がした。














「ねぇ、骸。」


「何ですか。」




彼女は突然僕にしがみついてきて、胸に顔をうずめた。






「どうしたんですか、







突然の彼女の思い切った行動に驚きを隠せない僕はただ、彼女を抱きしめることしかできない。

時が刻一刻と流れる中、耐え切れなくなった僕は胸にうずくまる彼女の髪にそっとキスを落とした。








?「骸は・・・」






「骸は絶対に私の前から居なくならないよね?」



「は?」




「だから、骸は・・骸はその・・・・私より先に死なないよね?」



「突然何を言い出すんですか君は。」







顔をゆっくりと上げた彼女の目にはヒトスジのナミダが。

僕は力いっぱい、それでも優しく、彼女を抱きしめた。





























           



                  「大丈夫。僕はキミの傍にいます」















                                     ―ずっと―





この命が尽きようとも、貴方の傍にいますから。

だからそんな悲しそうな顔をしないでください。








「ねぇ、骸。」


「はい?」



「絶対だよ!嘘ついたら地獄の果てまで引きずりまわすからね?」







クフフ、どうやら僕はとんでもない契約をしてしまったのかもしれません。

彼女は何処となしか黒い笑みを浮かべて、手にはさっき人形に刺さっていたナイフが握られていて、さらにその切っ先は僕ののど元に向けられていた。







「覚悟はいい?」


「何だか、最近は雲雀君に似てきましたね。」


「気のせいだよ」






ならいいんですが。

さっきまでの初々しいを返してください。

















キミは強気な

ジュリエット

でも本当は強がりだけの君の傍に、

寄り添う僕は君の ロミオでありたい







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夢本企画様に出させて頂こうと考案していた夢。出せそうにないのでUPしてみる。

このサイトではかなり頑張った甘さ。(何)

まぁ、ギャグも入ってる気がしますが、あえてシリアス甘ギャグ・・・甘>シリアス>ギャグ だと言い切ります。(わぉ)

一度で三度美味しいって感じで。(むしろ不味い)一度でシリアス・甘・ギャグ・ほのぼの・全部味わえる夢です。(誤魔化した)

ロミジュリネタ?ちなみに、雲雀さんバージョンでは、ヒロインよりも雲雀さんのほうが最強的お方的設定で夢書きました。

そのうちにUPするかも。・・・いつかきっと(遠い目)







感動した?(え)


感動してもしてなくても、ロミジュリー!と叫んでみよーv拍手で。(どうしても拍手コメント増やしたいのか)