〜そんな未来で
  良いんですか雲雀さん〜


















結局、学校が終わった後、雲雀さんは我が家にやって来て普通に私の部屋に入ってきた。良かった・・今はママン達旅行なんだよね。

10年後の話を聞かせてくれるそうだが、なんだか緊張感溢れる空気がとても重く感じる。なんだ・・なんなんだこの空気。

いったい10年後の私は何をしでかしちゃってんだろう。







「お茶」


「はい?」





何を言い出すかとハラハラした緊張感の中、彼はそう短く言い放った。今何て言った?

あぁ、そうか、客人なんだからお茶ぐらい出せよってことか。そうだよね、普通に考えてそうだよね。

あれ?雲雀さんが何か立ち上がったぞ?どこかに行くのかな?









お茶入れるね。




えぇぇぇぇ!?いやいや、いいですよ私が入れますから」







ちょっと、これ何かの間違いだよね?冗談だよね?10年後の雲雀さんは冗談が上手くなったのかな?

と一人で百面相していると、雲雀さんはサラっと言ってのけた。








「いいよ。いつものことだし。」




いつも!?







ちょっ・・・いつもって何ですか。いったい貴方はどんな生活を送っちゃってるんですか。

そんなことを考えているうちに雲雀さんは部屋を出て、台所から持ってきたお茶を湯のみに注ぎ、私に差し出した。えぇぇぇぇえ!?何この雲雀さん。

本物?本物だよね?いつの間にそんなに角が丸くなっちゃったんですか。しかもここ私の家なんですけど。








「晩御飯」




「はい?」





次に彼はまた不可思議な単語をサラっと放った。あ、そういえばそんな時間ですよね。お腹空いたなー。

うんうん。今日の晩御飯は何にしようかな。







晩御飯何がいい?








何言い出しちゃってるんですか雲雀さん。晩御飯何がいい?って、これじゃまるで・・・

まさか  まさか





「作るんですか!?」



「そうだよ。」






えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ

手作り!?手作り料理!?






「いつも僕が作ってるよ」



「何ィ!?」



、ハンバーグなんてどうかな?」



「ハンバーグですか・・・おいしそうですね。」








考えろ自分、発想の転換をするんだ。よし、私にもできる。もうたぶんあれだよ。きっと10年後の雲雀さんは一人暮らしなんだよ。

これで納得がいく。そうだよね、一人暮らしだったら自分で作らなきゃいけないもんね。

なのに何故かさっきから雲雀さんが固まったというか動きが止まったというか、とりあえずこちらをじーっと見つめている。







「・・・・」



「どうしたんですか雲雀さん?」



「いや、やっぱり初々しいなと思って」



え?






初々しいって何だ?10年後の私は初々しくないってことだよね?なおさら想像がつかないんですけど。










いつものは、僕がハンバーグって言った途端に、アッパー食らわしながら『また今日もかぁ!!!!いい加減にしろぉぉぉ!!!』って叫ぶんだ。








スッゲェェエエ!!!10年後の私すっげぇぇぇぇぇぇ!!

あの最強と名の高い雲雀さんにアッパー・・・

と言うか、






「また今日もってことは毎日それ言っちゃってるんですか?」



「うん。だって僕ら、結婚してるし。」











結婚んんん!!!!!!!?????






えぇぇぇぇぇぇぇえええええ!!!!???

何このサプライズ。

確かに、私雲雀さんのこと好きになっちゃってるけど、まさか10年後には結婚しちゃってるなんて。

しかも、雲雀さんに家事させてるんですけどぉぉしかも何か最強なんですけどぉ







?」


「スイマセンヒバリサン。ゴメンナサイ。モウシマセン。」








ちょっと、これ土下座じゃすまないよね?

今から10年後の雲雀さんに土下座して謝っても結局10年後の私は雲雀さんをこき使うことに変わりはないんだよね?

何これ、だったらどうしろって言うのさ!







、大丈夫だよ。僕は、そんなキミも好きだから」






あれぇ、おかしいな。こういう台詞って普通トキメク台詞なんだけど、話の内容たどると

これかなりドM的発言だよぉぉぉぉぉおお!!!!!!

何言っちゃってるの雲雀さん!?








「あ、そういえば10年後のの話だよね。何から聞きたい?」




いえ、やっぱ遠慮しときます。






これはあれだ。これ以上は聞かないほうがいい。そんなこんなでまた沈黙で、重い空気になった部屋に、思わぬ侵入者が訪れた。







「ちゃおっす。」





「赤ん坊!?」


「え!?何このマセタ赤ちゃん!?」








そう、何を隠そうさっき雲雀さんと話していた赤ん坊その人だった。

「思ったよりも10年バズーカが早く直ったぞ。もうすぐ入れ替わるはずだ。」と、なんだか少しアダルトな雰囲気漂う赤ちゃんは、

用件だけそう述べると、まるで霧のように消えていった。







「に・・忍者か?」





「そう言えば、僕、今日ここでに告白されるんだっけ。」



「え!?雲雀さん!?」





ぼふん







10年後の雲雀さんは、最後にそういい残して煙につつまれた。チクショウ、最後に何言いやがる。

そう思って煙がおさまった雲雀さんを見た瞬間、彼はいつもの雲雀さんに戻っていた。

わぁ、雲雀さんおひさしぶりです。






「あれ??」



「お帰りなさい雲雀さん。」





私が言った言葉に首をかしげながら雲雀さんは、ここは確かの部屋だよね。とのんびりした感じで言った。

でも、その目は夢うつつという感じで、まだ現実を受け入れていないという目だった。







なんか僕、すっごい夢みたんだ。



「はい。」





私も見ましたよ。・・・夢じゃなかったけど。







がね、なんかね、最強だった。




「・・・・・・そうでしたか」






やはり、未来の私は最強でしたか。何しろ雲雀さんにアッパー食らわしてるんだもんな・・・

雲雀さんは大丈夫だったんだろうか?

10年後の私に思い切りシバかれてないだろうか?なんて心配をしながら雲雀さんを見ると、何だか少し嬉しそうに笑っていた。







「良い夢だったな」



え!?





すっごい嬉しそうなんですけど。私はどうすればいいんですか?まさか雲雀さん、Mに目覚めちゃった?

ふと、10年前の雲雀さんが言い残した言葉が頭によぎってきた。







「あの、雲雀さん。」



「何?」




「私、雲雀さんに言わなきゃいけないことがあるんです。」







雲雀さんはまた首を傾けて、でも真剣な目で私を見てくれた。





























 
私、雲雀さんのことが


好きです。








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ラララー♪アンケートでぶっちぎり多くて、感想までもらっちゃって、頑張ってくださいなんて言われたら、更新せざるをえなくなったあるヒバです。

もう、終わらしちゃえ★的な急展開にしてみました。ギャグ要素少なくしてみた・・・つもりです。これでも。

ってか、10年後の雲雀さんのキャラ・・・あきらかムクえもんの雲雀さん的なキャラになっちゃってるー。

何はともかく、こんな微妙なところで、あるヒバ終わっちゃおうかなv

なんて言ったらたぶんボコられそうだ。けど、今度からはリクエストのあった高校設定で&恋人設定で第3幕を繰り広げたいと思います。

第2幕、ありがとうございました。


とりあえず、一区切りってことで・・逃走します。新連載もどうぞ宜しく。




感想待ち構えております。(何!?)