G



〜初恋の暴走ソナタ〜









「はぁ・・・・」



深いため息を付く僕。あの雪山でのできごとから一緒に星を眺めたのあの笑顔が頭から離れない。

それに、ここ最近、ずっとのことが気になる。

しかも・・・それは、が女だと知った時からずっと・・

これって・・まさか・・



「恋なんてこと・・ないよね・・?」



はぁ・・・

僕は、僕の部屋でそう呟き、また ため息をついた。

今、この部屋には、僕。・・と、大鬼。




恋じゃないんダスカ



そうか・・やっぱりお前もそう思うか〜大鬼。

・・・・・・

あれ・今・・大鬼が・・・



「しゃべった!?」


「しゃべりますダス」



じゃぁ、なんで今までしゃべらなかったんだよ君。

しかも、語尾が《ダス》かよ!?

何その無駄な設定。




「きっと、葉王殿は様に恋なさったんダスよ」


「なんか、誰かの陰謀のように聞こえてくるよ。」


「兎にも角にも、恋なんじゃないダスか〜?」


何でだろう、君に言われると凄いムカつく。




だってさ、コイツ、朝起きたら僕の目の前にいたり、の習い事事件でも、雪山遭難前や後でも。

とにかく、どこにいてもいた。

とくに、雪山に行く前に僕を門の前まで投げ飛ばした張本人だ。

しかも、語尾がダスだし。




「君じゃないダス。モドオナゴッチって言う名前があるんダス。」


モドオナゴッチ・・・?」




何、その名前。なんか、愛情こもってるんだか、冗談半分なのか、わかりゃしない。

にしても、何でモドオナゴッチなんだ。

大鬼、モドオナゴッチは淡々とそれは嬉しそうに話し出した。




様が付けてくれたんダス。なんでも、

 
 うでもいいよ
 にの
 まえなんて
 ゴッチ(でよくない?)

       の略だそうダス」



うわぁ・・・・そこ、喜ぶとこじゃなくて悲しむところだよ大鬼。

痛いよ。僕、なんか心が痛いよ。



「どうしたんダスか?」

「あ、いや。別に何でもないよ」



ゴッチは僕の顔を覗きこんでくる。

ちょっと、やめてくれよ。今、君のその嬉しそうな顔を見たくないんだってば。



「あ、ゴッチって呼んでくださいダス。」

「う・・うん・・・」



嬉しそう。そんな君に同情するよ・・ゴッチ。

けどさ、



「なんで君は、僕の部屋にずっと居るわけ?というか、棲んでない?



鬼と同じ部屋で同居だよ、僕。




様の、《そこに居たら邪魔だよゴッチ。葉王のところにでも棲んどいで〜》とのご命令ダス。」


「そ・・・そっか」




それ、明らかに存在自体を否定されてない?

しかも、何気に僕になすり付けてるし。

でも、何でだろう。僕と同じニオイがする。あぁ、そうか。絡みか。

頑張りなよ・・・ゴッチ。



「それにしても、葉王殿が様に恋とは・・これはライバル誕生ダス。」


「ラ・・・ライバル?」



なんだよ、そのライバルって、あぁ、敵のことか〜。



「は!?敵!?」



ちょっと今、友好関係作れたのにいきなり敵宣言!?

何だよ、何の敵だよ。



「ゴッチも様に恋をしているんダス!」


「は!?」



え?何言っちゃってるの?この大鬼。

確かに、普通、こういう恋のライバルとかは出現するよ。うん、大体はする。

ってか、僕のライバルって大鬼!?人間外かよ!?

敵とか、それ以前の問題だよね。大いに。




「ゴッチは葉王殿の知らない様をいっぱい知ってるダス!」


なんでだろう、なんか凄く知りたくない気がする。」



なんかさ、あまり良いことでなさそうだよね。なんでかな〜。

普通は知りたがるのに、なんでだろう。あぁ、だからか。




「今、様は、四六時中、葉王殿のことばかり構っているダスが、いつかゴッチがその座を奪ってみせるダス!」

「え?あれって構ってるっていうか・・・」



こき使われてるっていうか・・・

そもそも、無理やり弟子にさせられたっていうか・・・




そんなことを考えていると、いきなり本人ご登場。



「はぁ―おぉ―――――――――――!!!」



バシーン


ってば、僕の部屋の襖まで壊すようにならないでよ?」


「あぁ、ごめんごめん。つい癖で。」



ごめんって・・今、襖が命がけで耐えたよ。

癖って、何だよその癖。やっちゃいけない範囲を大幅に超えてるよ。

僕の部屋の襖・・・君も苦労者だなぁ〜



様ダス!習い事お疲れ様ダス!」



わぁ〜・・・ゴッチの目が輝いている。うぅ、眩しい。



「あぁ、なぁ〜んだ、お前もいたのか〜え〜っと、確か、グッチ」


「って違うだろ!?、ゴッチじゃなかったの?」


「あ、そうだった。ゴッチだった。」


「はいダス!」

「・・・・」



うわぁ〜・・・喜んでる。喜んでるよゴッチ。

君の存在さえも忘れられてたっていうのに。むしろ、名前さえも。

アウトオブ眼中だよゴッチ。



「あ、そうだ葉王。修行行こうよ〜」


「何、今度はどこに行くの?」


「城下町〜☆」


「なんで?」


「祭りがあるらしい!」


「そう・・まぁいいよ。」


もう、修行じゃなくて遊びに行くって言っちゃいなよ。

ぶっちゃけ、修行なんてする気ないよね?



「ゴッチも行きたいダス」



あ、ゴッチの存在忘れてた。



「え、ヤダ。」

「うおっ・・・・・・」



即答で拒否る

それは言いすぎじゃ・・・



「了解しましたダス☆」


明るく言ってのけるゴッチ。





ゴッチ・・君ってばとってもピュアーだよ。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
誰かの陰謀。それは私さ。by管理人@春未

甘くしてみたかったんです。(何)

いやいや、でも、一章では友情夢ですよ。まだ子供同士なんで。設定が。(設定かよ

大鬼、モドオナゴッチ。ごめんよゴッチ。君は、虐められキャラ設定なんだ。(可哀相だろ)

でも、そんな虐めにも気づかない君のピュアーなところが大好きさ☆(爆発)

葉王様の恋のライバル。その名もゴッチ。ちなみに、大鬼。人間外。様視点⇒アウトオブ眼中。

この夢では、時代に関係なく、現代語でます。ア・テンションプリーズ。