C
〜 腹時計の使い方 〜
懐かしい母の笑顔。
懐かしい僕の家。
あぁ、ここは夢の中なんだな。
だって、現実ではもう有り得ないのだから・・・・
でも・・・夢でも、覚めないで欲しい・・・
できることなら、このままずっと・・・・
ハァーオォー
・・・どうやら、そういう訳にはいかないらしい。
「はーお――」
「んっ・・・・・・」
ガバッ
起きてすぐ、布団から体を起こしてみると、案の定そこにはヤツがいた。
「おっはよ――――――修行だぞ〜」
「は!?」
ちょっとまって。
今って何時だ!?
「まだ一番鳥も鳴いてないよ。と言うか、外まだ暗いんですけども。」
するとは、不思議そうに首を傾けた。
少し、何か考え込んでいたようだが、「あぁ、」と呟いて手をポンと叩いたと思ったら、
「大丈夫。僕の腹時計が修行の時間だと伝えているから」
と、真顔で答えた。
「いや、ソレ使い方違うから!!!!!!!」
腹時計は、お腹が空いている時に使うものであって、
決して 朝っぱら?から おはようございます 時に使うものではないよ。
と僕は思うよ。
「あ〜星が綺麗だね〜〜〜」
するとは、遠いところを見るような目で外の景色を見ていた。
僕の話なんて、ミジンも聞いちゃいない。
「あぁ、そうか。そうきたか。」
なぜか悲しみを覚えた瞬間だった。
というか、もう星出ている=まだ夜って分かってるんだよね?あれ?いじめ?
そんなこんなで、今日も強制的に引きずられ、
自分用にと割り当てられた部屋を名残惜しそうに眺めながら、これから起こる出来事から、どうか無事に帰れますようにと願った。
廊下にて〜
「さぁ、ここはやっぱり、お決まりの雑用から―――」
「決まってない、決まってないから」
いったい、いつからそんな事決まったんだよ。
ふとの顔を見ると、少し…ブラックスマイルが…
「・・・・いいからやれ。」
……・・・・
「……ハイ。」
もう、どうにでもなれ。
「じゃ、まずは雑巾がけだ!」
「ラジャーボぉース」
しまった!?僕としたことが、ついに時代という壁を越えてしまった・・・
まぁ、いいか。
こんな ちっちぇえこと気にするまでもないか。
「じゃ、一通り。このクソ長い廊下を100往復。」
「は?」
「だから、このクソ長い廊下を100往復だって。」
このクソ長い廊下を100往復って・・・
どんだけピカピカな床を目指してるんですか師匠。
その後、僕は苦しみながら耐え抜き、完走した。(雑巾がけ)
「ぐ――」
雑巾がけを終えたのとほぼ同じ時にのお腹が鳴る。
「・・・」
「葉王。お腹すいたや〜」
「うん、それが腹時計だからね。」
「料理〜食べ物〜マンガンゼンセキぃ〜」
「はいはい」
なんだか僕に、世話のかかる子供ができたみたいだ。
産んだ覚えはないけどね。
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おっ、何か甘いかも。(いや、甘くねえ)
なんだか、ハオ様がヒロインのペースに馴染みつつある。危ないな〜(ぇ)
未だに、ハオ様はヒロインちゃんを男だと思っていま(以下省略)