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〜聖なる夜に青龍さん、こんにちは〜









ふと、夜の息抜きにと散歩のつもりでふらふらと廊下を歩いていると。

庭先から声のようなものが聞こえる。だ。

は何やらいろいろな道具を出し、庭で何か呪文のようなものを唱えていた。

その怪しさから、かなり近づきにくかったが、自分の部屋に隕石でも落とされたらヤバイなと思い、

に、恐る恐る近づいた。





、何してるんだい?」



雨乞い




「・・・・・・」



雨降らせてどうするの?え、どうするの?

どうしたいの?




「もう少ししたら分かるよ。」


「もう少しって、もう夜遅いから早く寝ないと」




ほら、良い子はもう寝る時間だし。

寝る子は育つって言うじゃないか。

と言ってると、突然空が怪しい雰囲気に。



ゴロゴロビシャン!!!



「うわ!?」



ドガーン


な・・・なんか降ってきた・・・

空から雷と共に降ってきた。

地面を見ると何かくいこんで、煙が出ている。


うわぁ・・・痛そう。って、そんな場合じゃなかった。


ちょっと・・・これって・・本で見たことあるよ。



「・・・青龍?」




うっそぉ。





「いや〜、お疲れ。」




は?何がお疲れ?

って、ちょっとマッテヨ。

雨乞いって青龍落とす行いだったっけ?



「グゥ」


「は!?」




今、鳴いた?鳴いたよね?え、龍って鳴き方 グゥ なの?

こ・・・子供の青龍?

不覚にも、ちょっと可愛いかもって思っちゃったよ。




「知ってる葉王、今日は西洋では聖なる夜で、クリスマスなんていう日らしいよ。」



前から思ってたんだけど、なんでやたら西洋に詳しいの




そんな僕の質問にも、はいつもながら軽くスルーした。

たまには聞いてくれたっていいじゃないか。





クリスマスっていうのはね、サンタクロースって名前のお侍さんが、イノシシにまたがり、空を走って子供達に日本刀を配ってまわるんだよ。



ちょっと、それオカシイよ、全体的に。しかも、なんだよその殺伐としたプレゼント。それで聖なる夜かよ




はアウトオブ眼中なようで、なぜか青龍を見てうなづいている。

うわー何か嫌な予感するよー。

もう、さっきの話出した時点である程度予想はつくけどね・・・

できれば、僕の考えてることは当たってほしくないな〜




「うん、青龍にのって、サンタクロースの気持ちになろう。」








きたーーーーーーーーーーーーー





サンタクロース、青龍に乗る・・・なんてフレーズが出た日には、家庭崩壊の危機になるかもね。

世の中の子供達が、サンタクロースは青龍に乗ってやってくるなんて言い出したらどうするんだよ。




「いたいけな子供の夢を壊しちゃいけないよ。」



「大丈夫だよ。たぶん」



たぶんじゃ駄目なんだよ。危ないってば。











そんな訳で、僕らは青龍にまたがり空を飛んでいる。




「はぁ〜なんで人里に降りちゃいけないんだよ葉王」


「だから、未来の子供のためだってば」




なんとかを説得して、人里には近寄らずに、山の上など人気のないところを走行するように約束した。

で、僕は見張りのために乗っていた。




「あ〜暇だな〜歌でも歌おうか〜」


「え?って歌えるの?」




想像できないな〜

でも、意外と可愛い一面があったんだなと思った。

のもつかの間だった。




「題名は、『アスパラよ、君は女神だ!』。」



ちょっと待って。何、その題名。

題名からしてアウトじゃない?




「アスパラガスにぃ〜
         ひかれてぇ〜
               やって来たのは北の国

  おぉ寒いぜ 凍えるぜ

          海に入るな即死だぞ〜

 まてよアスパラ〜
        まってくれ〜


               流れ着くのは北極大陸 。」




「・・・・・・」



予想以上でした。

予想以上に変な歌でした。


でも、不覚にも声が可愛いななんて思ってしまった僕はつくづくに惚れてるんだな〜と思う。



「ねぇ、


「何?葉王〜」



僕が呼びかけると、今まで歌っていたが僕のほうに振り返る。

その時、風がぶわっと吹いた。





「このままさ、時間が止まればいいのにね」




僕は夜空を見上げる、いつかと共に見たあの夜の星空のようだった。



「そうだね〜止まればいいなぁ」



と言ったの顔は、輝いて見えた。

僕はの手を握った。



「「ずっとね…」」



互いに笑う僕ら。

空には流れ星が流れる。






どうか、流れ星よ。

     僕たちの、ちっぽけな願いを 叶えておくれ





「ところで、。この青龍どうするの?」


「あ。」






夜空に願う子供達の他愛ない会話。


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あ・・・甘くねえ(汗)最後らへんしか甘くない!(何!?)

すみません。ちょっと甘くとのリクエストだったのに(汗)

まぁ、この最初の始まりからアウトっぽいなと(何)

一章(一部)完結まであとA話!